わかりやすいポスター発表のコツ

目を惹き、概要を短時間で理解できることが必要。

観客は三つのタイプ「松・竹・梅」に分類できる。
松は発表研究に興味のある客、竹は少し興味もあるが見ようかどうか迷っている客、梅は全く興味のない客。
ポスター発表では、いかに竹の客を惹きつけることができるかが勝負である。

構成

最重要項目は「目的あるいは要約」と「結論あるいはまとめ」である。

「要約」は導入、背景、実験内容の概要、結論をすべて含む。

「考察」は掲示する必要はない。特に細かい考察は、観客にまず読んでもらえない。

「要約」の次に「結論」を記載。

説明文は極力短くする。

背景は淡色、テキストは濃色とする。過度の彩色は見にくくなる。

内容説明は、文章、箇条書き、イラストのどれが良いか吟味する。

ポスターデザイン

タイトル部を明確にする。ポスターをできるだけ見ようとする客は、ほとんどタイトルのみでポスターを見るかどうか判断している。タイトルだけ背景色を変えると、メリハリが出て見やすくなる。

各項目、各図、ポスター背景を明確に区別できるようにする。そして規則正しく整列させる。レイアウトが一目でわかるようになる。

テキストは左寄せとする。

可能であれば、文章よりも箇条書きとする。

「目的あるいは要約」と「結論あるいはまとめ」などの重要項目は、下から1 mの場所(1 mの法則)に掲載する。ポスターは下になるほど見にくく、観客はよほどの興味がない限り、腰をかがめてまで見ようとしない。高さ1 mが見やすい。

ポスターの下部分には、発表内容の理解に関係のない「参考文献」や「謝辞」を掲載すべき。

字の大きさは、1 m離れたところからでも見えるようにする(1 mの法則)。多くの観客は、眺めるだけでそんなに近寄ってこない。逆に、ポスターに近寄りすぎる観客は他の観客や発表者の邪魔になる(ポスターの字が小さすぎる例)。

図のタイトルは、直接的タイトル「・・・の・・・への結合」と説明的タイトル「・・・が・・・に結合する」がある。ポスター発表には、観客が直感的に理解しやすい「説明的タイトル」を使用すべきである。

図の下(レジェンド)には短い説明を加える。

「目的あるいは要約」や「結論あるいはまとめ」のような文章カラムは、だらだらと横書きしない。観客が左から右に首や体を動かす必要があり非常に読みにくい。日本語は4050文字/行、英語で1520単語/が、体や首を動かさずに見やすい文章である。

数字と単位の間は半角スペース、数字と℃や%の間にはスペースは要らない。制限酵素や学名などイタリック表記に注意する。

実際のポスター発表態度

ポスター発表は四つのタイプ「街頭演説」「寅さん」「ブティック店員」「キャッチセールス」がある。

「街頭演説」は「今回私が研究したテーマ・・・」と数人 の前で一方的に解説、「寅さん」は「よってらっしゃい」情熱的にインタラクティブに解説、「ブティック店員」は「よろしければ説明いたします・・・」と興 味ありげな客に個々に控えめに対応、「キャッチセールス」は「〇〇先生!」と大先生を無理やり連れてきてしまうイメージ。

「寅さん」タイプが「松・竹」の客を惹きつけるには適している。「街頭演説」あるいは「ブティック店員」で説明を開始して、客の興味具合により「寅さん」になることもあり。

要約とともに、先に結論を話す方が好まれることが多い。特に大先生(ポスター賞などの選考委員兼ねる)は1枚に時間がかけられないので、結論を先に伝えてもらう方が助かる。

ポスター発表冒頭では要約と結論を簡単に述べて、観客に全体像を理解してもらうようにする。観客は冒頭で理解できない・興味がわかないならすぐに立ち去る。

個々のグラフ(研究概要)は、概要を大づかみできる説明が観客にとってありがたい。例、「・・をして・・・すると・・、・・・の結果が得られたので、・・・と考えました」

「質問への回答」と「研究説明」を明確に区別して話す。初心者は意外と区別できていないことがある。

発表義務時間が決められていても、ポスター掲示中は常に発表時間と考えてよい。興味ありげな観客は、発表義務時間外でも説明する。

「キャッチセールス」は基本的に好まれないことが多いが、時には大先生に説明することで高い評価を受けることがある。PCR発明の逸話:PCRの概念を 作ったノーベル賞受賞やマリスは、世界初のPCR法を学会でポスター発表した。彼のポスターはおおむね無視されたが、1958年のノーベル賞受賞ジョシュ アをキャッチセールス的に捕まえてポスター発表した。マリスはジョシュアにこの学会で唯一の励ましを受け、高く評価された。

発表が楽しくなる!
研究者の劇的プレゼン術

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