わかりやすい口頭発表のコツ

口頭発表のコツ個人的メモ。

参考図書:発表が楽しくなる! 研究者の劇的プレゼン術

発表の心構え

聴者は大切な時間を費やして、自分のプレゼンを聞いていただいていることを意識。

「聴者に考えさせな!」の精神で発表を心がける。

  • 指定時間を絶対に超過してはいけない。少し早く終わるくらいでちょうど良い。
  • タイトルを含みスライド1枚で1分の原則。多くて2-3枚の追加。
  • 早口で話さない。基本はゆっくり語りかけるように話す。
  • ポインタはむやみやたらに速く動かさない。ポインタをじっと止める。

発表原稿

初心者は特に、初心者でなくても発表原稿は作製した方が良い。

書き言葉ではなく、何度も読んで「話し言葉」で原稿を書くことが重要。書き言葉で話すと普通、聴者には伝わりにくい発表になってしまう。

発表時に原稿は持って行かないことが基本。

スライドの構成

発表には時間制限があるので、スライド構成は「データを省く作業」が最も困難になる。ストーリーが出来てメインメッセージが分かりやすいように、データのみを抽出して並べる必要がある。実験の順番とストーリー構成上の順番は一致させる必要はない。

スライドの背景は明色系(白など)、字や絵は暗色系が最も良い。昔ながらの暗色系の背景と明色系の字は見にくく、使用可能な色彩もかなり少なくなるのでプロジェクターによる発表ではあまり好ましくない。

基本的な構成は以下の通り。

  1. 導入(背景・目的)
  2. 小目的・方法・結果・小考察 の繰り返し
  3. 結果の要約

要約は「家にまで持って帰っていただきたい重要なメッセージ」を伝えたい。

導入では背景から現在の問題点・課題などに触れ、その解決に向けた目的を明確にする。目的を明確にしないで、結果のスライドに入ると聴者の多くが聴く気を失う。

背景や実験結果はマクロからミクロの視点へ向かって並べる(実験の順番とは無関係)。

自分の今回の研究は全体の研究または背景のどの位置にあるのかマップ(俯瞰図)を示すと、聴者の理解は一気に高まる。

スライド作製のポイント

スライドが何を示しているのかをまず説明するように意識する。説明しないことはスライドに含めないことが原則(実験条件などは質問されたら答えればよい)。

PC画面の字の大きさや配置のバランスは、映写後のバランスとは全く一致しないので注意。可能なら、実際の会場か、それに近い会場で映写してみて見栄えをチェックする。

長い文章は書かない。聴者はまず読めない。箇条書き程度。聴者にとって、絵のような視覚データは、字や数字の羅列のデータよりもはるかに短時間で理解に至る。

余白を憎む。図の大きさは一枚のスライドに縦:横 = 4 :3 または8 :3を二つ並べるなど。

字は必ず太字(ボールド)。フォントタイプは一定のルールで固定。例えば、タイトルや短文・単語はゴシック、文章は明朝が見やすいと言われている。

図や絵は一目で分かるように工夫する(折れ線グラフの端に項目を入れるなど)。時にはキーワードなどで印象付けるのも良いが、少し高等技術である。

絵は細かく似せる必要はない。例えば、〇とかいて「細胞」と記載するだけで聴者には伝わる。研究を表すシンボル絵などを使用すると印象性が一気に高まり、聴者の興味への求引力となるが、高等技術で難しいので発表の初心者には注意を要する。

絵に字を入れる時は、そのままの字ではなく、字の周囲に色付きの四角背景や吹き出しを使用するなど、字と絵を明確に区別する。

情報が等価でないものは、一緒の箇条書きにしない。聴者の混乱をまねく。

各スライドや図のタイトルは直接的タイトル「・・・の・・・への結合」と、説明的タイトル「・・・が・・・に結合する」がある。口頭の場合はどちらでも良いが、聴者が直感的に理解しやすいのは「説明的タイトル」である。

テーブルは口頭発表ではあまり適していないので使用しない方がよい。テーブルを使用する場合、縦線は使用しない(横線のみ)。縦の項目(数値)の間で比較できるように見せる。横カラムの一つおきに横カラムの背景色を変えると見やすい。

色彩の赤と緑の間の比較は見にくい(色弱・色盲者はけっこういる)。

一枚のスライドに、違う項目の絵などを含むと一気にわかりにくくなる。

一枚のスライドは、基本は左から右に、上から下へ説明(聴者もそのように見る)。

字、線、マーカーなどは聴者が見えるように明確に大きくする。字は最低でも18ポイントくらい欲しい。

実験項目などが急に変わるスライドはわかりにくい。そのときは「つなぎスライド」を間に入れる。つなぎスライドの典型例は、小項目を箇条書きにして、次に何を話すのかを明示したスライド。ノーベル賞の山中先生は、ES細胞の問題点に話題を変える時のつなぎスライドにマウスにがんが発症するES細胞の問題点などを示す「涙を流したマウス」の絵をつなぎスライドに採用し、大きな研究費の審査官に印象付けられて採択された逸話がある。ただし、つなぎスライドは10~15分程度の発表なら最大2~3枚が原則。

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